こども英語教室ベスティ Bestie English School

英語を楽しむだけに留まらない。自信を持って「英語を話せる」ようになろう!

英検について思うこと

近年、英検受験者の低年齢化について話題になることがよくあります。「〇歳で〇級合格!」という広告も頻繁に目にするようになりました。  

英検に対する私の考えは「否定するものではない。けれど、無理に(特に低年齢のうちに)受験するものでもない。」という意見です。

 

では、低年齢での英検受験に否定的なのはなぜでしょうか。

 

①必要性を感じない

何よりも一番の理由がこちらです。低年齢の頃から対策をして受験をし合格をしても、それが特別な価値を持たないからです。英検は満点に近くなければ合格できないという試験ではなく、ある意味、(特に低い級であるほど)「完全に理解できていなくても合格することが可能」な試験です。子供が低年齢の頃にそこまでして合格することに何の意義があるのでしょうか? 実際には、本人にとっての価値より、親にとっての価値が大きいからというところが本音だと思います。親の満足を得るために受験することに意義があるようには思えません。

英検の資格を有していることで、中学受験、高校受験で有利になることは間違いないので、受験をお薦めすることもあります。何より大切なことは、子供の年齢、実力とあわせて、しっかり必要性を見極めて受験する必要があるということです。

 

②試験は実力を確認するためのものであり、対策をすべきものではない

上記理由とも一部かぶりますが、合格ラインと超えるために対策してまで低年齢のうちに受験する意味はありません。確かに英語力はなかなか目に見た形で判断できないという難しさがあります。そのため、英語を学んできた中で「自分の実力を確認したい」「どのくらい解けるものなのか挑戦してみたい」という理由での受験であれば一理あります。モチベーションや本人の自信につながる可能性もありますし、そのための受験であれば否定しません。ですが、低年齢での受験・合格が英語学習のゴールになってしまっているようであれば本末転倒です。対策とともに受験を続けていけば、5~3級程度であればスムーズにステップアップできるかもしれませんが、そのような受験を続けている限り、ある程度のところで頭打ちしてしまいかねません。それが何より一番心配です。受験は実力にあったものを、コツコツと続けていくべきもので、決して無理をさせてはいけません。何より、英検(特に3~5級)は英検対策クラスなど特別な授業を受講しなくても十分に合格できる試験です。実力があれば受かるし、実力がなければ合格しない。ただそれだけのことです。

 

③まずは英語の楽しさを。そして話せることを目標に!

「『英語学習=試験対策』になるなんてさみしすぎる」というのが私の本音です。子供たちには、まず英語を話せるようになって欲しいし、英語で自分のこと、自分の意見ををしっかり表現できるようになって欲しいと思います。試験対策として無理に語彙を覚えたり、定型文を暗記する時間があるなら、低年齢だからこそできることをたくさんさせてあげたい。その中で、自然な形で語彙も習得させてあげたい。というのが願いです。無理しなくても、正しい形で、正しい戦略の元で、習得すれば無理しなくても身につくものなのです。そして、ある程度の年齢に達した後、小学校生活を通じて「テストのスキル」を身に付けた後に受験を始めても十分に間に合います。

 

当時、6歳だった息子が偶然小学生クラスの生徒に渡す予定だった英検5級の問題を目にして、やってみたいと取り組んだことがありました。ごくごく一部ですが、(不正解の選択肢を見ながら)「こんなのおかしい~」と笑いながらやっていました。クラスの子供たちにテスト音声を聞かせると、「音声スピードが遅すぎる」と皆、口をそろえて言います。ある程度の基礎力が身についていれば、4級、5級程度の試験であれば無理せずに受験できます。英検対策として語彙力強化や定型文の暗記などに取り組む必要さえないのです。

この記事は英検受験に取り組んでいるご家族の挑戦を否定するものではありません。基礎力が十分につき、英文を自力で読めるようになり、やってみたい!と子供自ら言うようになったら、その時は受験を否定しません。挑戦がモチベーションや自信につながる可能性があることも確かだからです。とにかく大切なことは、受験はあくまで通過点であって、ゴールではないこと。特に親という立場である私たちが、そのことを決して忘れてはならないと思います。