下記書籍を読みました。
「無責任なテストが「落ちこぼれ」を作る」,大修館書店
1年間の子供たちの英語力の伸びをどのように評価するのか。幼児クラスではそもそも文字の読み書きをまだ取り入れていないため筆記テストのようなものは一切行いません。口頭で、あるいは、レッスンの中で、子供たち一人一人の定着度を確認していきます。
学校の定期テストなど、たまに「これは何を問うためのテストだろう?」「英語力をはかれているのだろうか?」と思う内容のものを目にすることがありました。
適切なテストを作成するという技術は、英語を教えることとはまた別の次元でとても難しいものだと感じています。
私自身、TOEIC本などの執筆で、TOEICの問題を作成するという仕事をしていますが、決まった形式の問題を作るということであっても、問題作成は本当に奥が深く、難しい。
選択肢を見ただけで文書を読まなくても正解が分かるような問題になってはいけない。あるいは、選択肢を排除できるような問題ではあってはならない。
リスニング問題の音声を聞く前から、選択肢を見ただけで、リスニングの内容が想像できるものであってはならない。
不正解の選択肢のはずが、正解になりえてしまうようなことは決してあってはならない。
学校の定期テストでは、そもそもどんな問題を入れるのかというところからなので、本当に適切といわれるテストを作成することは比較にならなほどさらに難易度が上がると思います。
以下、本書を読んで、特に覚えておきたいと思ったことを覚書として残します。
テスティングポイントについて
「テスティング・ポイント(testing points)」とは,ある一つのテストが何をテストしようとしているかの目標。「何のためにテストするのか」が明確である必要があり、つまり、「どういう知識・能力・技能をテストするのか」をわかっていなければいけない。
自由作文について
自由作文の課題を課す際には、以下の4点を明示する必要がある。
1.トピックは何か
2.誰に対して書くのか
3.何のために書くのか
4.どのように(長さ・文体など)書くのか
参考文献:
若林俊輔、根岸雅史(1998)「無責任なテストが「落ちこぼれ」を作る」,大修館書店